能勢町天王地区は「大阪のてっぺん」能勢町の中でも最北端に位置します。大阪最北端の神社、高皇産霊(たかみむすび)神社には村人の産土神が祭られています。祭りの日には境内や奉納舞台で催しが行われ、大変賑わうそうですが、普段はとても静かで厳かな雰囲気が漂っています。町内でも珍しい長床の舞台に差し込む光が幻想的でした。
当社は推古天皇の御宇、剣尾山に月峯寺が開創されるやその奥地に当たる「天野村=天王村」に「奥の院」として七堂伽藍が創建されたと伝えられている。
さらに宮ノ尾には「大梵天王」を勧請し、村人の産土神として祭祀された。伝えるところによれば、村名も祭神の大梵天王に據るといわれている。(立て札より)
大梵天王は仏教護持の神の中でも筆頭に挙げられ、他の四天王より最上の地位にある仏のこと。天王村の氏神として大梵天王が祭祀されたのが、大梵天王社。もともとは天然記念物のアカガシのある稲荷社の場所にありましたが、故あって永禄2年(1559)6月にここに移転されました。
なんでも当時、疫病が大流行して村の人口が半減したときに、高僧から「社を村の下手より清浄な上手に移すべし」という神勅があったのだとか。
その後は天地間に物を生み出す霊徳のある高皇産霊神を祀る神社となっています。
写真/高松祐太
山門の反対側がこのような奉納舞台になっています。「長床」の建築は能勢町内でも稀少とのこと。
長床は神社の本殿前に置かれ、拝殿や舞殿として使用されます。こちらでは昔から奉納芝居が行われていました。
村の天変地異にさいして神の心を慰め、神徳に報いるために芝居を催したようです。
高皇産霊神社 | |
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住所 | 大阪府豊能郡能勢町天王214-1 |